第17章 映画はキャンセル
「どうしたの、東尾さん」
さすがクールビューティ速水。氷点下!?ってくらい冷たい目で見てくる。
千葉くんは目元見えないからわからない……。
「あ、あの、私に銃の使い方、教えてくれますか!?」
私はそれでも2人をしっかりと見つめて言った。
「……急にどうしたんだ、東尾」
千葉くんが困ったように頭をかいた。
「お前、銃の成績悪いわけじゃないだろう」
「いや、上手でもないし……練習、したいんだ。いつか、2人くらい上手くなりたいの」
……きっと、役立つ。
まだ帰れないんだったら、ここでスキルを磨くしかないんだから。それで、皆を守れるようにするんだから。
「…別にいいわよ。ねえ、千葉」
「ああ」
さらっと言ってくれた二人に感動。
「ありがとう2人とも! 烏間先生の許可はもらってあるから、校庭で。お願いします!!」
私はぺこりとお辞儀した。
────────
校庭から裏山に移動。
「東尾さん、こっち」
「ひ、ええええ!? まだいくのおお!?」
「当然よ」
「速水、この辺でいいんじゃないか?」
「そうね、この辺なら最初でもやりやすいかしら」
速水さんと千葉くんの阿吽の呼吸。
2人は私に撃ちやすい場所を教えてくれているようだが、速すぎて追いつかない……。
「東尾さん、ここよ」
「へ、ぇ……」
息も切れ切れに顔をあげると、そこには校庭を見渡せる崖。山の中だからいくらでも崖あるな……。
「ここからあの的に当ててみて」
「!? え!? ちょっと待って!?」
校庭の的なんて豆よりも小さい。
「私は苦手だけど、千葉なら出来る。東尾さんは遠いのが得意なのか近いのが得意なのか調べた方がいいと思う」
「ほ、ぉ……」
速水さんの言葉にこくりと頷いて私は弾を込めた。