第16章 LとRの組み合わせ
お昼休み。
「京香さん、一緒にお昼食べませんか」
愛美ちゃんが可愛いお弁当箱を手に笑った。
「あ、私も私もー!」
「うん、いいよ」
私のお昼はマチマチだが、大体コンビニのおにぎり(ツナマヨ)とたまにおかず。但しこのクラスにはあまりツナマヨ好きがいない……ってそんなのはどうでもよくて。
「私の席の近くで食べよーよ!」
「オッケー、じゃあ三つ机くっつけようか」
茅野ちゃんの近くの机を三つ持ってきて並べる。
「いただきます」
3人でご飯を食べながら話していると。
「お、見てみ。渚君あそこ」
渚君、の言葉に茅野ちゃんがグルンと首を回す。……こうして見ると茅野ちゃんもまあまあ分かりやすい。
「…ああ、烏間先生よくあそこでごはん食べてるよね」
ここは…マンガに入るシーンか。
一応黙る。
「その烏間先生に近付いていく女が1人」
カルマ君は面白そうに笑った。
「殺る気だぜ、ビッチ先生」
イリーナ先生は模擬暗殺で使えと言われたナイフを隠そうともせず、草むらをズンズン歩いてきた。
……ここからは会話は聞こえない。
ちょっと惜しいけど、まあ仕方ないよね。
皆もカルマ君の言葉に気付いたのか、ゾロゾロと窓側へ集合。
私は箸を置いて愛美ちゃんに、
「お昼ごはん中止だね」
と笑った。
「はい、またあとで食べましょう」
愛美ちゃんも笑って箸を置く。
窓を見ると……うん、烏間先生はかなり警戒しているようだ。
ここからでもピリピリとした空気が伝わってくる。
皆が何をするんだろう……という目で見つめているが、先のわかる私はただ黙って見ていた。