第16章 LとRの組み合わせ
「…そんな、必ず殺れますセンセイ!! 私の力なら…」
叫ぶイリーナ先生にロヴロさんは冷たく言い放った。
「ほう、ならば」
ガッとイリーナ先生の首に強く親指を当てるロヴロさん。
「がっ…」
「こういう動きがおまえにできるか?」
……よく見えないけど、かなり速い……!
「おまえには他に適した仕事が山ほどあり…この仕事に執着するのは金と時間のムダだ」
さりげなく左腕を強く握ってるし……この流れるような動き。
すごい…。
「ここのコロシは適任者に任せろ。2人の転校生暗殺者の残る1人が…実践テストで驚異的な能力を示し、投入準備を終えたそうだ」
……!!!
律と、もう1人の転校生!!
…私はその名前を心で呟いた。
……堀部イトナ。
きっとこの教室にいれば会うこともあるんだろう。
「相性の良し悪しは誰にでもある。さっきおまえは発音について教えていたが。
こここそがおまえにとって…LとRじゃないのかね」
つまり……傍から見れば少しの違いだけど、実質は大きく違うってこと?
イリーナ先生……。