第15章 梅雨の話
律にお礼を言い、私は校庭に走った。
「烏間先生、ありがとうございます! は、始めましょう!!」
「……律への用事は済んだか」
……烏間先生には全部お見通しだったか。
「はい、両親の顔を予測して見せてもらいました」
「よかったな。…では、訓練を始めるか」
「はいっ!! 宜しくお願いします!」
私は烏間先生の訓練内容を聞きながら、ふとクラスメイトのことを思い出していた。
……そういえば、今日って前原くんの回……だよね。
大丈夫かな。
…また巻き込まれる予感がする……。
「……聞いてるか?」
「あ、はい聞いてます!! 今日はロープで腕力を鍛えるのと銃とナイフの練習ですよね!! 頑張ります!!」
烏間先生に怒られるところだった、危ない……。
とにかく今は訓練に集中しよう。
いつか、皆が大変な目にあった時守れるように。