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【トリップ】全てを知っている私が!【暗殺教室】

第15章 梅雨の話




放課後。

私は烏間先生に断って律と話していた。


「それで……用事って、なんでしょうか」

律が困ったように笑う。

幸い教室には人はおらず、殺せんせーもどこかに出かけている。




「あの……私のこと、怪しまないでね」
と前置きして私は話した。






「私の……顔から予測できる、両親の顔を……見せて欲しいの」


律は想定外な答えだったようで目を見開いていた。



「それは……どういう?」

「あ、あ、あのね!! 別に、親がいないとかそういう事じゃないんだよ!! ただ……」



違う世界に、いるだけ。


「……ちょっと、遠くにいて会えないの。私両親の写真も持ってないし、スマホも機種変したから……」


律は黙って私を見つめた。

機械的だけど、優しい目。







「……ごめん、嘘。でも、会えないのも写真持ってないのも、事実だよ」



私は律の目に観念して吐き出した。



「生徒には……言えないのですか。先生方には?」

「あ、烏間先生とかには言ってるんだけど、ちょっと事情が複雑で……」


律は目を泳がせたあと、にっこりと笑った。



「わかりました、皆さんのサポートをするのも、私の役目ですから」

「律……! ありがとう!!!」



久しぶりに、両親の顔を見たくなった。

それと共に、話したい、というのも。


でも、それは今無理だから。



「しばらくお待ちください」

そう言って律は膨大なデータを動かし始めた。

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