第14章 自律思考固定砲台の転校生
またまたまたまた翌日。
「おはようございます皆さん」
またパクパクと口を動かす律。
……元に、戻っちゃったな。
昨日のやつ(モーション大量の)を見てたから少し寂しいけど。
……大丈夫、だもんね。
私は律の瞳をしっかり見つめた。
「『生徒に危害を加えない』という契約だが…『今後は改良行為も危害と見なす』と言ってきた」
ざっくり烏間先生が言った話をまとめると、昨日マスター(開発者)が来たらしい。その時律をみて烏間先生に伝えてきた一言が、これだ。そして律を壊し、元の
律にしてしまった。
「君等もだ。『彼女』を縛って壊れでもしたら賠償を請求するそうだ」
寺坂が待ち構えて持っていたガムテープをひょいと取り上げて烏間先生はこの学校にきてもう数えられないほどしているため息をついた。
「開発者の意向だ。従うしかない」
烏間先生の言葉に殺せんせーは指(触手)を頭にやった。
「開発者とはこれまた厄介で…親よりも生徒の気持ちを尊重したいんですがねぇ」
数学の教科書を持ちながら言う殺せんせーは、いささか困ったようだった。
「……攻撃準備を始めます。どうぞ授業に入って下さい殺せんせー」
律のやんわりとした、でもぎこちない言葉は、みんなにげんなりとしたやるせない気持ちにさせた。
……また始まる。
あの、1日中続くハタ迷惑な射撃が。
私はマンガの言葉を思い返した。
律がブゥンと機械的な音をまた出す。
皆が教科書やノートを構える中殺せんせーはじっと律を見つめている事に私は気がついた。
銃が入ってるところがパカッと開く。
皆が一斉に目を瞑ると……。