第14章 自律思考固定砲台の転校生
本来銃があるところから、プラスチックにも似た大量の花が飛び出した。
皆は驚いて律を見つめる。
「……花を作る約束をしていました」
律の言葉にハッとする矢田さん。昨日約束してた言葉を律は覚えていたのだ。
「殺せんせーは私のボディーに…計985点の改良を施しました」
しすぎでしょ改良……。
律は花をしまいながら言葉を続けた。
「そのほとんどはマスターが『暗殺に不要』と判断し、削除・撤去・初期化してしまいましたが……。
学習したE組の状況から『私個人』は『協調能力』が暗室に不可欠な要素と判断し、消される前に関連ソフトをメモリの隅に隠しました」
隣でカルマくんがため息をつく。
もちろん、悲しそうでも辛そうでもないため息。
少し、嬉しそうだ。
「……素晴らしい、つまり『律』さん、あなたは」
「はい、私の意思でマスターに逆らいました」
律は昨日のように爽やかで元気な笑顔で微笑んだ。
皆も納得したように微笑む。
「殺せんせー、こういった行動を『反抗期』と言うのですよね。『律』は悪い子でしょうか?」
再現なく手(アーム)を動かしながら照れる律。
殺せんせーは顔に丸を浮かべて笑った。
「とんでもない。中学三年生らしくて大いに結構です。」
これからはこの……28人での暗殺。
……途中で1人減っちゃうかもだけど……。
何度でも、暗殺教室の話に触れる度。
私は思って、決意する。