第14章 自律思考固定砲台の転校生
「おはようございます!! 渚さん、杉野さん、東尾さん!!」
……ちゃっかり自分の名前が入ってる事に感動して言葉が出なかったが、杉野くんと渚君は違う方向で言葉が出ていない。
当然だろう。
昨日まで口をパクパクするだけの小さいモニターが、全身像がうつる液晶に生まれ変わり、ジェスチャーつきの美少女転校生が画面に浮かび上がっていたのだから!
「親近感を出すための全身表示液晶と、体・制服のモデリングソフト、全て自作で8万円!!」
後ろに殺せんせーが音もなく立っていることに気がついた。
「今日は素晴らしい天気ですね!! こんな日を皆さんと過ごせて嬉しいです!!」
転校生の自律思考固定砲台……(という固い名前が似合わない程変身した砲台)は髪の毛をクシャッと握り嬉しそうに笑った。
「豊かな表情と明るい会話術、それらを操る膨大なソフトと追加メモリ、同じく12万円!!」
ようやく状況を飲み込めたのか、殺せんせーの言葉を苦笑いに近い表情で聞く二人。
「先生の財布の残高…5円!!」
そう言った殺せんせーは、クワッと口を開いた。