第14章 自律思考固定砲台の転校生
HRは烏間先生のため息で始まった。
「皆知ってると思うが、転校生を紹介する。ノルウェーから来た自律思考固定砲台さんだ」
「よろしくお願いします」
無機質な声がまた響く。イリーナ先生の横にいる殺せんせーは吹き出しながら笑った。
「お前が笑うな。同じイロモノだろうが」
烏間先生はこほん、と軽く息をつくと、
「言っておくが、『彼女』はAIとして顔を持ち、れっきとした生徒として登録されている。あの場所からずっとおまえに銃口を向けるが、おまえは彼女に反撃できない。『生徒に危害を加える事は許されない』、それがおまえの教師としての契約だからな」
このシーンは、何度見てもズルイと思うんだよねえ。『生徒』とは言っても人工知能。完璧にしようと思えば出来てしまう。
きっと烏間先生も上から言われて抵抗しようがなかったんだろう。
「……なるほどねぇ。契約を逆手に取って…なりふり構わず機械を生徒に仕立てたと」
殺せんせーは嫌味たっぷりで言ったが、
「いいでしょう、自律思考固定砲台さん。あなたをE組に歓迎します!」
と受け入れた。
……大丈夫かな、皆。
先を知る私だけが言えること。
今日は生徒、つまり私達にとって…疲労感たっぷりの、大変な日になる予定…だから。