第14章 自律思考固定砲台の転校生
朝、山道を登っていると、愛美ちゃんが前に見えた。
「あ、愛美ちゃんおっはよー!」
「きょ、京香さん! おはようございます!」
愛美ちゃんが振り向きながら笑顔で言った。
「転校生のメール、見ましたか?」
「うん、見たよ」
「どんな子でしょう?」
「う、うーん……ドーダローネ…」
箱です。箱なんです。
…なんて言えないよね!!
教室に入ると、渚君杉野くん岡島君が先に来ていた。
そして、『箱』。
プツッと電源が入り、無機質な声が部屋に響く。
「おはようございます。今日から転校してきました、『自律思考固定砲台』と申します。よろしくお願いします」
節電モードなのか、またプツッと電源が切れる。
渚君はこちらに苦笑いを向けてきた。
「驚く…よね」
「自律思考固定…『砲台』?」
愛美ちゃんがきょとんと言う。
「人工知能……だよね」
皆が問いかけるのも無理はない。
そこには、まさに。
『箱』としか形容しようのない人工知能が場所をとっていたのだから!