第13章 修学旅行の時間!
「どのくらい大会行けたんですか?」
「えーと、関東大会まで……かな。それ以上は行けなかったよ」
「つ、つよ!」
横で磯貝くんが驚く。
……うーん。
「今、三村君とやってる烏間先生の方が強いと思うけど……」
私は苦笑いで言い、横の卓球台へ目を向ける。
三村君は全くボールを打てていない。
「ストレート11点。俺の勝ちだな」
烏間先生はふぅ、とため息をついた。
「……いや、烏間先生は規格外だからな」
竹林君がメガネを直しつつ言う。
「これには勝てないね〜無理無理」
私は手をひらひらして笑った。
「よし、愛美ちゃん、やろ!」
「ええ!? こっちも無理な気がするんですけど!?」
休憩所に賑やかな声が響く。
私は卓球をやっているうちに、久しぶりにあちらの世界を忘れていることに気がついた。