第13章 修学旅行の時間!
「うおお、どーやって避けてんのかまるでわからん!!」
あの後、とくに何事もなく班行動は終了。
レッドアイさん、会ってみたかったな……という少しの無念。
周りのみんなから聞くと、スナイパー(レッドアイ)さんの暗殺はすべて失敗したそうだ。
やっぱりね。
という訳で私達は帰路につき、今神崎さんのとんでもないプロ捌きのゲームを見ている。
「恥ずかしいな、なんだか」
「おしとやかに微笑みながら手つきはプロだ!!」
全くもって手の動きが見えないほど速い。
私もゲームは得意だし好きだけど、これには勝てないな…。
「すごい意外です。神崎さんがこんなにゲームが得意だなんて」
愛美ちゃんが近くに寄って驚いたように言う。
「…黙ってたの。遊びが出来ても進学校じゃ白い目で見られるだけだし。
でも、周りの目を気にしすぎてたのかも。
服も趣味も肩書も、逃げたり流されたりして身につけてたから自信が無かった。
殺せんせーに言われて気付いたの。大切なのは中身の自分が前を向いて頑張る事だって」
そう言って神崎さんはいつも通り微笑み、茅野ちゃんにゲームを教え始めた。
「うーん、髪を下ろしてるおなごは可愛いなあ」
「東尾さんキャラ崩壊してるよ」
渚君が困り顔で言うが、元々私はこんなキャラだ。
ふと後ろを振り向くと、卓球台が何台かあった。
「……! 愛美ちゃん、卓球、やろやろ!」
「え、いいですけど……」
愛美ちゃんは戸惑いながらもついてきた。
「お、東尾。卓球やるのか?」
そう話しかけてきたのは安心できるイケメンと名高い磯貝くんだ。