第13章 修学旅行の時間!
とんでもない不良達……ではなく。
「不良などいませんねぇ。先生が全員手入れしてしまったので」
髪の毛を剃られ、丸メガネをかけられた高校生達と、顔隠しを付けた……
「殺せんせー!!」
殺せんせーは(元)不良達をポイッと投げて、私達に言葉をかけた。
「遅くなってすみません。この場所は君達に任せて…他の場所からしらみ潰しに探してたので」
「…で、何その黒子みたいな顔隠しは」
「暴力沙汰ですので。この顔が暴力教師と覚えられるのが怖いのです」
殺せんせーの弱点(?)⑩、世間体を気にする。
「渚君がしおりを持っていてくれたから…先生にも迅速に連絡できたのです。この機会に全員ちゃんと持ちましょう」
殺せんせーはそっと手渡す。
「……せ、先公だとォ!?」
リュウキは焦った様子で仲間と殺せんせーの方へ走った。
「ふざけんな!! ナメたカッコしやがって!!」
しかしそれは一瞬で妨げられる。
「ふざけるな?」
目には見えない程速い、殺せんせーの触手だ。
「先生のセリフです。ハエが止まるようなスピードと汚い手で…うちの生徒に触れるなどふざけるんじゃない」
高校生達は力が抜けたようにぺたりと座り込む。
その中でリュウキは最も素早く意識を取り戻し、立ち上がった。
「……ケ、エリート共は先公まで特別製かよ」
ガクガクと足を揺さぶりながらナイフを取り出す。
「テメーも肩書で見下してんだろ?バカ高校と思ってナメやがって」
殺せんせーはその言葉に軽く首を振った。