第13章 修学旅行の時間!
「犯人の手がかりが無い場合、まず会話の内容や訛りなどから、地元の者かそうでないかを判断しましょう」
重そうなしおりを片手に持ち、パラパラとページをめくる。
「地元民ではなく、更に学生服を着ていた場合→1244ページ」
そのページをめくるのは。
「考えられるのは、相手も修学旅行生で、旅先でオイタをする輩です」
「皆!!」
茅野ちゃんが嬉しそうに叫ぶ。
渚君、カルマ君、杉野くん、奥田さんだ!!
「なっ…てめぇら」
リュウキはかなり焦ったように皆を睨んだ。
「なんでココがわかった…!?」
リュウキの問に答えるように、渚君は言葉を続ける。
「土地勘のないその手の輩は、拉致した後遠くへは逃げない。近場で人目につかない場所を探すでしょう。その場合は→付録134へ」
そして本をこちらへくるりと向ける。
「先生がマッハ20で下見した…拉致実行犯潜伏対策マップが役立つでしょう」
神崎さんも嬉しそうに皆を見つめた。
「すごいなこの修学旅行のしおり! カンペキな拉致対策だ!!」
「いやー、やっぱ修学旅行のしおりは持っとくべきだわ」
皆の会話をさておいて、驚く高校生。
ひと段落つくと、カルマ君が言った。
「…で、どーすんのお兄さん等。
こんだけの事をしてくれたんだ。あんた等の修学旅行はこの後全部入院だよ」
高校生に負けない位迫力がある。
「…………フン、チューボーがイキがんな」
すると扉の方からドカドカと音がした。
「呼んどいたツレ共だ。これでこっちは10人。
おまえらみたいな良い子ちゃんはな、見た事も無い不良共だ」
ギィ、と扉が開く。
その先から出てくるのは。