第12章 初めてのテストは竜巻と共に
────
「………これは一体どういう事でしょうか。公正さを著しく欠くと感じましたが」
烏間先生の渋い声が耳に届く。
『…おっかしいですねぇ〜〜。ちゃんと通達したはずですよ。あなた方の伝達ミスじゃないですか? なんせおたくら本校舎に来ないから。ハハハハ』
静かな教室に響く、無機質な本校舎の先生の声も。
「伝達ミスなど覚えは無いし。そもそもどう考えても普通じゃない」
……その、通りだ。
「テスト2日前に…出題範囲を全教科で大幅に変えるなんて」
『…わかってませんねぇ、えーと…烏間先生? うちは進学校ですよ。直前の詰め込みにもついていけるか試すのも方針の一つ。
本校舎のクラスでは、なんと理事長自らが教壇に立たれ、見事な授業で変更部分を教え上げてしまわれました。』
「……!!」
烏間先生は忌まわしげに電話を切った。
……問11。
椚ヶ丘中学校という進学校の、テスト後半部分。
私も解くことが……出来なかった。
私は3年生の1月までの授業を終わらせ、こちらにトリップしてきていても。
勿論先にやっていた分だけ出来た問題もあった。
順位は58位。
健闘した……とは思うけど、失望感が否めない。
殺せんせーのサポート、あちらの世界での予習も含めても……50位以内に入れない。
「…先生の責任です。この学校の仕組みを甘く見すぎていたようです。
…君達に顔向けできません」
殺せんせーは黒板に顔を向けながら言った。