第12章 初めてのテストは竜巻と共に
「…いや、勉強の方はそれなりでいいよな」
三村君が諦め気味に切り出した。
「…うん。なんてったって暗殺すれば賞金百億だし」
「百億あれば成績悪くてもその後の人生バラ色だしさ」
「にゅやッ、そ、そういう考えをしてきますか!!」
焦る殺せんせーにみんなは言った。
「俺達エンドのE組だぜ、殺せんせー」
「テストなんかより…暗殺の方がよほど身近なチャンスなんだよ」
言葉には出さなかったが、それが……皆の本音。
軽く頷いたり、反論をする様子もない。
「…なるほど、よくわかりました」
……空気が、重くなった…気がする。
「? 何が?」
「今の君達には…暗殺者の資格がありませんねぇ」
殺せんせーの顔にはバッテン。顔は軽いが醸し出す空気は重い。
隣にいた渚君が息を止めるのが分かった。
「全員校庭へ出なさい。烏間先生もイリーナ先生も呼んで下さい」
軽い扉はピシャッと閉まった。
「…? 急にどーしたんだ殺せんせー」
「さぁ…いきなり不機嫌になったよね」
殺せんせーの中で、何かのスイッチが入ったらしい。
皆も戸惑いながら校庭へと足を運んだ。