第12章 初めてのテストは竜巻と共に
「さらに頑張って増えてみました。さぁ授業開始です」
……増えすぎ!!!
私の前には国語で4体…4人?の殺せんせー。皆同じ教科だけどそれぞれホワイトボードを持っていたり教科書や参考書を持っている。
木村くんの席ではもはや別キャラの残像。著作権的にアウト……
「疲れちゃいますよ殺せんせー。」
私は笑いながら言った。昨日理事長に煽られたんだろう。
弱点⑦知恵の輪でテンパる。
知恵の輪で失敗した殺せんせーは大人しく理事長と話したはずだ。
スピードでは解決出来ない事もあると。それを覆そうと殺せんせーは頑張ってる。
「いえいえ別に大丈夫ですよ。ではこの古文の続きをやりましょう」
殺せんせーはいつもと変わらない様子で言ったが、授業の終わりには見るからにヘトヘトになっていた。
「………さすがに相当疲れたみたいだな」
「今なら殺れるかな」
「なんでここまで一所懸命先生をすんのかね〜」
みんなの声が聞こえていたのか、それに反応する殺せんせー。
「……ヌルフフフ。全ては君達のテストの点を上げるためです。そうすれば…」
殺せんせーの声が高くなる。
「『殺せんせ〜!おかげで良い点取れたよ!!』『もう殺せんせーの授業無しじゃいられない!!殺すなんて出来ないよ!!』という生徒達の尊敬の眼差しに加え、『先生!!私達にも勉強を教えて♡』という評判を聞いた近所の巨乳女子大生が私の所へやってくる……」
……それwin-winなのか?
「…となって、殺される危険も無くなり先生には良い事ずくめ」
にやける殺せんせーとは対照的な皆。