第10章 巨乳は味方か敵か
結局その授業はほとんど意味を成さず、ビッチ先生はチャイムと同時に怒りながら出ていった。
「京香さん! 休み時間暗殺バドミントンするらしいですよ」
愛美ちゃんが微笑みながら言ってきた。
「ああ、こないだ授業でやったやつね」
羽の代わりに大きめの殺せんせーボール。
ラケットの代わりにナイフ。
当てる場所によってポイントが変わり、基本のルールはバドミントンやバレーに則っているものだ。
「……うん、行こっかな」
私は校庭に出た。
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「アターック!!」
「わ!?」
この暗殺バドミントンはかなり杉野くんが強い。
私は杉野くんや木村くん、矢田さんと同じチームだ。
「刺突だから3点ね」
「いえ〜」
メンバーを入れ替えながら、みんなでやる。
この教室では、遊びさえも暗殺になってしまう。
「アタック!!」
私はナイフの腹でボールを叩く『斬撃』を相手のチームにおみまいしながら思った。