第10章 巨乳は味方か敵か
続けてビッチ先生はこの教室でのもう一つの禁句を発した。
「それに聞けばあんた達E組って…この学校の落ちこぼれだそうじゃない。勉強なんて今さらしても意味無いでしょ」
「……!!」
皆の目が鋭くなるのがピン、と伝わってくる。
「そうだ!! じゃあこうしましょ、私が暗殺に成功したらひとり五百万円分けてあげる!! あんたたちがこれから一生目にする事ない大金よ!!」
ビッチ先生は嬉々として話すが、皆の空気に気付いていない。
「無駄な勉強するよりずっと有益でしょ、だから黙って私に従い…」
ビシッ
途中でビッチ先生の言葉を途切れさせたのは……どこかから飛んできた消しゴムだ。
黒板に跳ね返り、教卓の上に転がる。
何が起こったのか分かっていない様子のビッチ先生。
「…出てけよ」
ビッチ先生はようやく気づいたようだ。
皆の冷たい視線と、その意味に。
一瞬の間の後。
「出てけクソビッチ!!」
「殺せんせーと代わってよ!!」
「なっ…なによあんた達その態度っ殺すわよ!?」
「上等だよ殺ってみろコラァ!!」
たちまちその場は戦場となった。
物と怒声が飛び交う。
「そーだそーだ!! 巨乳なんていらない!!」
……バッチリ茅野ちゃんの声も聞こえる…。
ふと廊下の方を見ると、この騒動に烏間先生が見に来たらしい。
頭を痛そうに抱えていた。