第10章 巨乳は味方か敵か
磯貝くんが戸惑い気味に、
「…で、えーと、イリーナ…先生? 授業始まるし、教室戻ります?」
と聞く。
すると、先程まで高い声を上げていた女性はその化けの皮をズルリと剥がした。
「授業? …ああ、各自適当に自習でもしてなさい」
ボッと音がして、タバコに火をつけるビッチ先生。
「それと、ファーストネームで気安く呼ぶのやめてくれる? あのタコの前以外では先生を演じるつもりも無いし、『イェラビッチお姉様』と呼びなさい」
……本性を現したビッチ先生に、黙るみんな。悲しみというよりは、唖然、驚き。
「…で、どーすんの? ビッチねえさん」
微妙な空気に容赦なく切り込むカルマ君……
「略すな!!」
「あんた殺し屋なんでしょ? クラス総がかりで殺せないモンスター、ビッチねえさん1人で殺れんの?」
明らかに下に見ているカルマ君に、嘲笑するビッチ先生。
「…ガキが。大人にはね。大人の殺り方があるのよ。潮田渚ってあんたよね?」
渚君に近付いて、手を頬にかける。
「?」
迷いなくビッチ先生は渚君の唇に自分の唇を重ねた。
「なっ…!!?」
横で驚く茅野ちゃんに、少しニヤつくカルマ君。