第10章 巨乳は味方か敵か
少し時間が経った後。HRの時間になった。ガラリと扉が開く。先生達……『3人』が入ってきた。
……あぁ、マジか。そういえば5月1日だわ。
烏間先生が少し呆れ顔で言う。
「…今日から来た外国語の臨時講師を紹介する」
『彼女』は金髪の髪を揺らめかせながら笑った。
「イリーナ・イェラビッチと申します。皆さんよろしく!!」
ビッチ先生の登場だ!!
「…そいつは若干特殊な体つきだが気にしないでやってくれ」
烏間先生が困り顔で言うと、殺せんせーが変装用のヅラを躊躇いなく外し、
「ヅラです」
と言う。
ハートを周りに撒き散らしながらビッチ先生は
「構いません!!」
と言った。
「本格的な外国語に触れさせたいとの学校の意向だ。英語の半分は彼女の受け持ちで文句は無いな?」
「…仕方ありませんねぇ」
殺せんせーは少し残念そうに了承。
「…なんかすごい先生来たね。しかも殺せんせーにすごく好意あるっぽいし」
「…うん」
茅野ちゃんがかなり小さい声で『胸…』と言ったのを私は聞き逃さなかった。
「…でもこれは暗殺のヒントになるかもよ」
渚君はメモ帳を取り出す。
「タコ型生物の殺せんせーが…人間の女の人にベタベタされても戸惑うだけだ。いつも独特の顔色を見せる殺せんせーが…戸惑う時はどんな顔か?」
殺せんせーは音を出さずビッチ先生の胸に視線を向けた。