第10章 巨乳は味方か敵か
5月1日。
黒板を見つめる渚君に私は声をかけた。
「渚君今日日直なの?」
「いや……そういう訳じゃないんだけどさ」
渚君は笑いながら言った。
「もう5月かぁ。早いね1か月」
……うん、早い。1ヶ月とはすなわちこの教室メンバーになってから、という意味なんだろうけど……殺せんせーが地球を爆破するまで、残り11ヶ月。
そして私が来てからも約1ヶ月が経ってしまった。本当だったら今頃もう私立の受験は終わってて、公立に向けて焦ってる頃なはずなのに…。
とは口に出せず、
「うん、早いねぇ」
と私は笑った。
「そういえば今日烏間先生珍しく教員室から出てこないね」
倉橋さんがふっと廊下を見ながらつぶやく。確かに、この時間だともう教室か廊下にはいるはず。なんでだろ……
少しの疑問をかかえながら、HRを待つ。ゆっくり重たげにいつものチャイムが鳴った。