第8章 毒は不器用。
……まあ毒って言われて飲む人はいない……。
飲む『人』は、ね。
「それはそれは。ではいただきます」
殺せんせーは笑顔で飲んだ。人というか、タコだし……。
「!! ……こ…これは…」
殺せんせーの体がガクガクと揺れる。何か起こるんじゃないか、と期待して見る私達の目に音とともに飛び込んできたのは。
ツノ。
ツノが……生えた。
「この味は水酸化ナトリウムですね。人間が飲めば有害ですが、先生には効きませんねぇ」
「……そうですか」
愛美ちゃんは少し残念そうだったが、私は殺せんせーの変な形が見れて…その、とても吹き出しかけた。
愛美ちゃんが持っているあと二つの三角フラスコに、殺せんせーは目をやった。
「あと2本あるんですね」
「は、はい!」
「それでは」
殺せんせーはごくっと飲み干すと、悶え始めた。
「うっ、うぐぁっ、ぐぐぐ…」