第3章 One Love
あの日以来2度目になる翔くんのマンション。
前回も緊張したけど今日はそれ以上…
翔くんに続いてリビングに入った。
「体冷えちゃったでしょ?
温かいもの淹れてくるから座ってて」
優しい微笑みを見せてくれる。
キッチンに向かおうとする翔くんの洋服の裾を掴んだ。
「…智くん?」
翔くんと目線を合わせることができず俯いたまま小さな声で呟いた…
「…翔くんがあっためてよ…」
翔くんの返事が返ってこない…
様子を伺うようにそぉっと目線だけあげた…
驚いた顔をしていた翔くんだけど、目が合うと困ったような顔で微笑んだ。
「なんでそう可愛いこと言うかなぁ
こっちは必死に我慢してるのに」
「我慢…?」
「そうだよ?
もう2度と智くんを傷つけたくないからね?
智くんが嫌がることはしないようにしてた」
「なんで?嫌がる訳ないじゃん
翔くんになら何されても嬉しいのに…」
突然翔くんの胸の中に抱きしめられた…
「…もう~、そんなこと言って後悔しないでよ?」
体を離されるとチュッとキスをされる。
「お風呂入るでしょ?
用意してくる…」
そう言ってリビングを出ていった。
自分で言った言葉と翔くんが言った言葉を思い出し顔が熱くなった…