第3章 One Love
「…もう少しこのままいたいな」
「智くんが大丈夫ならいいよ」
「翔くんがこうしていてくれるなら大丈夫」
どうしよう、どんどん欲が出てくる。
思いを伝えることさえできなかったのに、今じゃ触れているのに満足できない…
翔くんの腕の中で向きをかえ翔くんに抱きついた。
「…智くん?」
「もっとぎゅってして?」
「…寒い?」
首を横に振った。
「俺どんどん欲張りになる…」
「いいよ、我が儘言って
智くんの望みはなんでも叶えてあげる…」
翔くんが両手で俺の頬を包みこみ上を向けるとそっとキスを落とした。
一瞬触れてすぐ離れていく唇…
翔くんの瞳を見つめる。
「…足りない…」
そう呟いたら翔くんの唇がまた近づいてきたから目を閉じた。
離したくなくて翔くんの首に腕を巻き付けた。
何度も何度も繰り返しされるキスに心も体も蕩けそう…
足から力が抜けそうになり、翔くんに支えられる。
「…車に戻ろう」
翔くんに腰を抱かれ車に戻った。
「そろそろ帰ろうか」
車のエンジンをかけながら翔くんが言った。
「まだ帰りたくない…」
翔くん迷惑に思うかな…
「…じゃあ、家に来る?」
「いいの?」
「いいよ」
優しく微笑んでくれた。