第3章 One Love
<大野サイド>
あの後マネージャーの車で一度テレビ局まで戻り収録は後日ということで解散になった。
色々なことが起こりすぎて疲れてはいたけど翔くんと離れたくなくて、湿布を張り替えてあげると言って翔くんの家に押し掛けた。
「散らかってるよ?」
「いいよ、そんなの気にしなくて」
なんて言いながら上がらせて貰った翔くんの部屋は綺麗になってて
「………」
「どうしたの?」
「部屋が綺麗…」
「え?どんだけ汚れてると思ってたの?
一応掃除とかするから」
苦笑いをする翔くん。
「コーヒー入れるから適当に座ってて」
「…うん」
ソファーに座った。
なんだろ、自分で押し掛けたのに実際来たら思ってた感じと違くて急に緊張してきた。
マグカップを持って戻ってきた翔くん。
「はい、どうぞ」
一つ手渡された。
「…ありがと」
「どうかした?」
「…ううん、なんでもないよ」
「そう?」
翔くんが俺の隣に座った。
それだけで心臓がドキッとした。
「ふふっ」
急に翔くんの笑い声が聞こえ顔を上げると翔くんと目が合った。
「なに?」
「智くん、緊張してるの?」
見透かされたようで恥ずかしい。
今まで二人きりでいても緊張なんてしたことないのに。