第3章 One Love
「ちょっとまって、えっ?なんで?」
翔さんの腕の中で目をパチパチさせている大野さん。
あまりにも可愛らしくて、思わず笑ってしまった。
そしたら潤くんと相葉さんも笑いだして
「大ちゃんか~わ~い~い~」
「翔くん、ちゃんと話さないとリーダー理解不能みたいだよ?」
翔さんは大野さんから少し体を離すと優しく笑いかけた。
「智くん、ちゃんと話すから一回落ち着こうか?」
「…う、うん」
深呼吸をする大野さん、可愛いな。
「はぁ、うん、大丈夫、教えて?」
「俺はね、ず~っと前から智くんのこと好きだよ
でも相葉くんも智くんのこと好きなのわかってたからふたりが付き合ってくれたらいいな、と思ってた」
「なんで⁉」
「だからそこが俺の勝手な判断
メンバーみんなが幸せになってほしいなって思ってて
相葉くんなら智くんを幸せにしてくれるって
二人の気持ちを聞かずに自分の理想の形になるように動いてた」
翔さんは苦笑した。
「人の心は操れないのにね…」
大野さんはやっと状況が飲み込めたようだ。
「えっと、それは俺翔くんのこと好きって言っていいってこと?」
「うん」
「翔くんのこと諦めたフリしなくていいってこと?」
「…そんなことしようとしてたの?」
翔さんが驚いた。
「だって、絶対ず~っと翔くんのこと忘れられないもん
だけど、翔くんに気を使わせたくないし…」
その言葉を聞いて翔さんが泣きそうな顔をして大野さんを抱きしめた。
「本当にごめんね」
「もういいよ、こやうやって翔くんに抱きしめて貰えるだけで」
大野さんの目から涙が零れた。
今度のは幸せの涙だね。