第3章 One Love
翔さんが大野さんを見たまま考え込んでる。
「え?なに?」
大野さんは話が見えてないみたいだ。
そうだよな翔さんが自分を好きだなんて思ってもいないんだから。
ましてや今振られたんだろうし。
翔さんが相葉さんの方を見る。
「…相葉くん、本当にいいの?
俺、一度手に入れたら一生離さないよ?」
相葉くんは最高に嬉しそうな笑顔で答える。
「もちろんっ!
それが俺の望みでもあるし」
翔さんは顔を少し伏せると
「そっか…」
と呟いた。
翔さんは一呼吸つき、もう一度相葉さんの顔を見た。
「ありがとう…」
迷いのない笑顔だった。
翔さんも覚悟を持つことができたんだね。
今度は大野さんを見つめる。
大野さんは何が起きてるのか理解できず不安顔で翔さんを見る。
「どうしたの?翔くん?」
「…智くん、ごめんね」
「もう大丈夫だってば…」
「違う
俺、智くん傷つけた」
「だから、始めからわかってたって」
「ううん、俺が勝手な判断したから…
傷つける必要なんかなかったのに…」
翔さんがゆっくりと大野さんを胸の中に包み込んだ。
「…へっ?…翔くん?」
「……好きだよ、智くん…」
「………えっ?なに?なんで?」
大野さんは突然の翔さんの告白に軽くパニックを起こしてる。
そりゃそうだよな、数分前に振られたんだから。