第3章 One Love
その後到着した救急車で病院に向かった。
翔さんと大野さんが診察を受けている間、他の患者さんに見つかると騒ぎになるからと別室を用意され3人で待っていた。
暫く何も話さずに座っていたら、相葉さんがポツリと話し出した。
「…翔ちゃんってさ、大ちゃんのこと好きなんだね…」
俺も潤くんも答えられずにいた。
「今までなんで気づかなかったかなぁ
あんな優しい目で大ちゃん見てたのに…
俺、お邪魔虫じゃん…」
相葉さんが泣き出しそうな顔をする。
「…相葉さんのせいじゃないですよ
今まで翔さんが隠してたんです…」
相葉さんが勢いよく顔をあげた。
「ニノ知ってたの⁉」
「ごめんなさい…
翔さんに口止めされてて…」
「なんで?大ちゃんが翔ちゃんのこと好きなのみんなわかってたでしょ?
翔ちゃんが大ちゃんに好きって言えば丸く収まったじゃん」
「翔さんは相葉さんが大野さんを好きなことを知っていたので」
「だからなんで?
両想いなんだから俺のことなんてほっといてふたりで付き合えば良かったんだよ」
「それだと相葉さんが傷つくから
相葉さんになら大野さんを安心して任せられるって…」
相葉さんは驚いて目を見開き、そのあと優しく微笑んだ。
「……バカだなぁ、翔ちゃん…」
相葉さんは両手で顔を覆い泣き出した。
「翔さんの願いはメンバーみんなが幸せになることなんですよ」
「それで自分が不幸になったら意味ないのに…」
「翔さんはみんなの幸せが自分の幸せなんだって言い張って…」
「ほんっとバカ!」
そう言って顔をあげた相葉さんの表情は優しさに満ちた笑顔だった。