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片恋 《気象系BL》

第3章 One Love


「ってぇ…」

相葉さんがパイプの向こうからゆっくり起き上がるのが見えた。

「翔くんっ⁉リーダーっ⁉」

潤くんが倒れたパイプを退けながら下敷きになってるふたりに声を掛ける。

俺も駆けつけ一緒に手伝う。

パイプを退けると下から翔さんが、更にその下に翔さんにしっかりと抱え込まれた大野さんがいた。

「…ん、な、に…?」

大野さんの小さい声が聞こえた。

なにが起こったのかわかっていないみたいだ。

「大野さん大丈夫ですか?」

「…う、ん」

「翔くん?」

潤くんが翔さんに声を掛けるけど翔さんからは返事がない。

潤くんがそーっと翔さんの体を大野さんの上から抱き起こしたが意識がないようだ。

そのまま膝の上に翔さんの頭を乗せ、近くのスタッフに声を掛ける。

「救急車呼んで!」

スタッフが走ってスタジオを出ていった。

俺はそっと大野さんを抱き起こした。

別のスタッフに支えられた相葉さんが近づいてきた。

「相葉さん大丈夫?」

「俺は突き飛ばされたから大丈夫だけど
なんで翔ちゃん?…後ろにいたよね?」

「急に走り出して…
パイプが倒れてくるのが見えたんでしょう…」

「…しょ、く……」

大野さんが翔さんに近づこうとした。

「大野さん、急に動かない方が
頭打ってるかも知れないし」

大野さんの肩を押さえた。

すると翔さんを見る大野さんの目からは涙が溢れ、体が震えだした。

「……しょ…………」

呼吸が荒くなり、言葉も上手く出ないようだ。

「潤くん、大野さんがヤバい」

「カズ医務室連れてって診てもらって」
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