第16章 リフレイン
「ねぇ、翔ちゃん…」
ぎゅうぎゅうに抱きしめられた状態で、遠慮気味な智くんの声が耳元で聞こえる。
「ん?なに?」
「…シテいい?」
「なにを?」
「ん、ナニを…」
智くんの手がシャツの裾から入り込む。
「えっ⁉ちょっと待って!」
智くんの手を掴んで止めると、少し不貞腐れた顔をした智くんが俺を見下ろす。
「だってさぁ~、昨夜翔ちゃんのナカ綺麗にしてる時さ、翔ちゃんスッゴい色っぽい声出すんだよ?でもさ、疲れて寝てるから、俺、スッゴい我慢したの。ご褒美くれてもよくない?」
「ご褒美…って言われても…智くんもわかってるでしょ?今から仕事だよ?」
「わかってるよ。でもシタい…一回しかしてないんだもん…」
シたりないのはわかるけど…
「…夜まで待てない?」
「待てないっ」
喰い気味に即答する智くんを、愛しいと思ってしまうのは、そこに『愛』を感じるからなんだろうな。
「もう、しょうがないなぁ…でも優しくしてよ?」
「やった!優しくするからね、翔ちゃん」
子供のような笑みを見せるのに、次の瞬間には男の顔をして俺の体に触れる。
「また、オリーブオイルでゴメンね。次はちゃんとローション用意しとくから」
そうだ、その知識といい、その他数々の知識といい、誰から仕入れたのか聞こうと思ってたんだ。
「ねぇ、さとしくっ…あっ、ん…」
智くんがいきなり胸の突起に吸い付いた。
「あっ、あっ…」
「ひょぉちゃん、かわいっ…」
突起をペロペロと舐める智くん。
「あ、ん…や、めっ…あ…」
また質問する前にそれどころでは無くなってしまった。
いつになったらこの疑問、解決するんだろう…
まぁいいか、誰でも。その人のお陰で無事、ふたり幸せになれたんだから♪
「あんっ!」
「翔ちゃん、エロかわっ♪」
Fin