第16章 リフレイン
翌朝目覚めると、智くんの寝顔がすぐ横に。
一瞬、何事かと思ったけど『あ、そうだった…昨夜は智くんと…』
あどけない寝顔をして眠る智くんを見ていると、昨夜の事が夢のよう…智くんって、意外と雄な部分あるんだな、優しくしてくれたけど、最後の方は結構激しく攻められたし。
でも、それも幸せだったりする…だって俺相手に本気になったってことだろ?『エロくて綺麗』なんて言ってくれて。
寝ている智くんに、少しだけ近付いてみた。
プライベートでのこんな距離感、今までありえなかったよなぁ…ニノがじゃれついてるの見てて、いつも羨ましく思ってたんだ。でも、これからは俺もこの距離に居ていいんだよね。
「ふふっ…」
思わず笑いが溢れて、智くんがピクッと動いた。
「んっ…」
ちょっと色っぽい声…
「しょ、ちゃ?くすぐっ、た…」
笑ったときの息が耳に掛かって起きちゃったみたいだ。
「ごめんね、起こしちゃった?」
「ん~、許さない…」
「えっ…」
瞼を開かない智くんは、少し機嫌が悪そう。少し調子に乗りすぎた?智くんに好きって言って貰えたから、恋人気分で浮かれてたけど、智くんはそういう付き合いは望んでないのかな…
軽く落ち込みそうになった俺に、智くんからオーダーが…
「チュウしてくれないと許さない」
「へっ…」
目を閉じたまま、こちらを向いて唇を突き出して待ってる智くん。どうやら俺よりも智くんの方がイチャイチャを望んでるみたい…
「早く~、翔ちゃん」
甘えた声を出す智くんが可愛い。
「うん。ごめんね、智くん」
そう言ってチュッと唇を重ねた瞬間、智くんにギュッと抱きしめられた。
「はぁ~、幸せ~」
しみじみと言う智くんの『幸せ~』に、俺も幸せを感じる。
「うん、幸せだね」
俺も頷いて智くんを抱きしめた。