第16章 リフレイン
熱を吐ききると一気に体から力が抜け、智くんの上に崩れ落ちるように覆い被さり大きく息を吐いた。
「はぁ~…」
「ひょうひゃん、ぐるじ…」
俺の下敷きになった智くんがもがいてる。
「あ…ごめん…」
すぐに横にゴロンと転がると、俺のナカから智くんがズルっと抜けた。
「んっ…」
抜ける時にナカを擦られ声が漏れた。
「ふふっ…大丈夫?」
智くんが優しく俺の乱れた前髪を掻きあげる。
「ん…大丈夫…」
「良かった…今は大丈夫なんだ」
さっきはほんとにヤバかった…あんな風に身体中を快感が駆け巡ることなんて今まで経験したことがなくて、イキそうでイケないのがあんなに苦しいなんて知らなかった。でもその分、イッた時の気持ちよさも今までの比じゃなくて…
「スゲかったね、翔ちゃん…」
ボソッと智くんにそう言われ、乱れた自分を思い出し恥ずかしくなった。智くんに呆れられたかな?
「スッゲェ可愛くて、スッゲェ綺麗だった…」
智くんの腕が俺を抱きしめる。
「…へ?」
思っていたのと違う事を言われ、智くんの顔を見上げた。
「綺麗?俺が?」
智くんは俺のことを見ると、ニコニコと笑い『ウンウン』と頷いた。
「綺麗だったよ?今までは可愛いと思ってたけど、エッチしてる時の表情は最高にエロくて綺麗だった」
エロい、って…誉め言葉なのかな?でも、智くんが嬉しそうな顔してるからいっか…『あんな姿見せても大丈夫なんだ』なんて安心したら、なんだか眠くなってきた…
「手に入れた時の幸せって、本当にかけがえのないものなんだな…」
俺の頭を撫でて呟く智くん…その幸せそうな声に誘われ、俺も幸せに浸りながら眠りに就いた。