第3章 One Love
<ニノサイド>
潤くんのマンションに着いた。
「カズ、ごめん玄関開けてくれる?」
両手に買い物袋持った潤くんが俺に頼む。
俺は自分の鞄から合カギを出しそれを使ってドアを開けた。
「サンキュー」
「もう、我が家同然だな」
翔さんが微笑んだ。
そのまま潤くんはキッチンに向かった。
「翔さん、こっち」
翔さんをリビングに案内した。
「ゆっくり飲みたいからローテーブルの方がいいですよね?
そっちのソファー座ってください」
「おぉ、ありがと」
「カズ~、飯作っちゃうから、とりあえずこれ運んで先に翔くんと飲んでて」
「は~い」
潤くんからビールとつまみを受けとるとリビングに戻った。
「はい、翔さん」
「おぅ、サンキュ~」
缶ビールを渡し、つまみをテーブルに置く。
「スゲーな、お前の旦那
こんな短時間でつまみ用意出来んの?」
「あっという間に作ってくれますよ」
「ふふっ、幸せそうだな?ニノ」
優しい笑顔を見せる翔さん。
「翔さんのお陰ですよ?」
「松潤のお陰だろ?」
「まぁ、そうですけど」
缶ビールのプルタブを開けて翔さんに向ける。
「乾杯しましょ」
翔さんもビールを持ち上げこちらに向ける。
「乾杯!」
「乾杯!」
ごくごくと喉を鳴らしてビールを飲む翔さんはとても幸せそうで、なんの迷いも無さそうだった。