第16章 リフレイン
智くんの指が俺の下の口に触れる。そんなとこ、素手で触られたことなんてなくて、思いっきりビクッと体が跳ねた。
「可愛い…」
智くんがポツリと呟く。何が可愛いのか全くわからないよ…
続けて智くんの指がクルクルとソコを撫でてる。でも『ん~』という智くんの唸りが聞こえると、ソコから指が離れた。
「ちょっと待ってて」
「え…」
智くんがベッドから下り、部屋を出ていった。
いったいどうしたんだ?すぐに戻ってくると思ったのに、なかなか戻ってこない智くん。
やっぱり嫌になったのかな…
そうだよな、好きでもない男なんて抱いたって何の得もない。
恥ずかしい姿は見られちゃったけど、キス出来ただけでもラッキーだと思わなきゃ…
そう思って、体を起こし脱ぎ散らかした洋服に手を伸ばした。
「おまたせ、って、何してるの?翔ちゃん」
智くんが手に何かを持って戻ってきた。
「あ…いや…智くんが戻ってこないから、もう止めるのかなって…」
「そんなわけないじゃん」
ベッドに戻ってきた智くんが、手にした物を枕元に置くと、俺の手にした洋服を取り上げベットの下に落とした。
「待たせてゴメンね、どうしたらいいのかわからなくて、ちょっと聞いてきた」
ニコッと笑ってそう言うと、さっき置いたものを手に取り、俺の目の前に見せてくれた。
「…オリーブオイル?」
なぜ今これ?
「そ…指が入らなくてさ、どうすればいいか聞いたら、これで対応できるからって。良かったよ、家にあって」
ってことは、智くん男の人抱くのはじめて?