第16章 リフレイン
「あっ!ダメだって!」
今、そんな事されたらイッちゃう…
慌てて上体を起こし、智くんの腕を掴んだ。動きを止めた智くんは、哀しそうな顔で俺を見つめた。
「やっぱりヤダ?俺とエッチするの…」
「あ、いや…ヤダ、とかじゃないんだけど…気持ちよくて…イキそう…だから…」
なんで俺、智くん相手にこんなこと言ってんだよ…恥ずかしくて顔から火が出そう…
そんな俺を余所に、智くんはフニャッと笑い俺に近付いてきた。
今度は何をされるのかと少し身構えると、智くんが至近距離で止まり見つめられた。
「もぉ…そんな可愛い顔して、俺の事煽ってんの?」
煽ってる?どこが?それにまだ俺の事可愛いって…あれは恋人のフリしてたからでしょ?智くんの言ってることが理解できずに、智くんの事をじっと見ていると、智くんの顔が更に近付いてきて、チュッと唇にキスをされた。
「……ふぇっ⁉」
「翔ちゃんの唇って柔らかくて気持ちイイね…」
ニコニコと嬉しそうに微笑む智くん。
そりゃね、エッチする時にキスはするだろうけどさ…でもまさか智くんにキスされるなんて思ってもみなかった。
智くんがまた近付いてきて、何度も俺の唇の感触を楽しむかのようにキスを繰り返す。
「んっ…」
そんなキスをされ続けてると、また気持ちよくなってきて…体を支えていた腕からは力が抜け、ベッドの上に逆戻り。智くんの舌が俺の咥内へと入ってきた。