第16章 リフレイン
「別に失礼じゃねぇよ。風磨は感じたまんま言っただけだろ?そう思わせたのは俺たちなんだから、謝んなよ」
「親分…」
「折角翔ちゃん好きが集まって飲むんだから、楽しくやろうよ。ね、翔ちゃんもその方が嬉しいでしょ?」
「うん、皆で楽しく飲みたい」
「と言うことで、いいか?上田?」
智くんが上田に確認すると、上田はばつが悪そうに視線を下げた。
「はい、厳しく言い過ぎました。すみません…」
そこへタイミング良くビールが運ばれてきた。
「ヨシッ、じゃあ飲みますか」
増田がジョッキを持つと、掛け声をかけた。その声でみんな一同にジョッキを持ち上げた。
「アニキ会、はじめまーすっ!カンパーイ!」
「「「「カンパーイ!」」」」
みんなでジョッキを合わせ、そこから一気に喉へ流し込む。
「プッハ~、旨いっ!」
智くんの嬉しそうな声。
「やっぱ、仕事の後のビールは格別っすね」
三人も幸せそうな笑顔を浮かべてる。
そこからは、料理を摘まみながら、仕事の話なんかを中心に会話が進んでいく。
いつもは後輩の話を聞くことが多いんだけど、今日は智くんがいるせいか、話題が俺たち中心になった。
「へぇ~、翔くんってしっかり者で、完璧なイメージだったんですけど、そうでもないんですね?」
「うんっ、完璧なイメージと天然な所のギャップが良いんだよねぇ。すっげぇ可愛いと思っちゃう」
智くんが笑顔で俺の事を可愛いなんて言うから恥ずかしいと言うか照れる。でも、きっとこれは作戦の一部なんだよね。