• テキストサイズ

片恋 《気象系BL》

第16章 リフレイン


店員を呼んで、各々食べたいものを注文した。

「嵐さんって、いつもそんな感じでメシ頼むんですか?」

増田が興味津々な様子で聞いてきた。『そんな感じ』ってどんな感じ?

「何かおかしい?」

「おかしい、って言うか…おふたりとも自分が食べたいものよりも、お互いの好きなもの頼もうとするから」

あ、そう言われてみればそうか…

智くんが俺の好きそうな物見つけてくれたから、俺も智くんの好きな物を言っただけなんだけど。

「ほんと仲いいんだなぁ、って思っちゃいましたよ。俺たちは『これ食べたい』『いいんじゃね』くらいのことしか言わないから。下手すると反対されることもありますしね」

「ですよね。俺たちもそうです」

風磨も同意を示した。

「上田んとこは?」

増田が上田に聞くと

「まぁ…俺たちも似た感じです」

「だよなぁ…嵐さんって普段から仲良しなんですね」

「ほんとっす」

「いや、そんな仲良しなんて…」

増田と風磨があまりにも感心するから、ちょっと恥ずかしくなった。それなのに…

「だろ?俺たち仲良しなの」

智くんが俺の肩を抱き寄せた。頬が触れそうなくらいすぐ横にある智くんの顔。仕事中は肩を組むなんてどうってことないんだけど、プライベートでされるとドキドキする。

「あれ?兄貴、顔紅いっすよ?」

「ばっ…そんな訳ないだろっ」

「慌てちゃってぇ…なんか怪しいっすね、おふたり~」

風磨がニヤニヤしながらからかってくる。

「もうやめろ!アニキたちに失礼だろ?」

上田が止めに入った。

「はい、すみません…」

風磨がまた小さくなった。
/ 592ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp