第16章 リフレイン
それから三日後…アニキ会が開かれる日。
今日の仕事は5人でのレギュラー番組収録。その仕事終わりで智くんと飲み会に参加する。
「智くん、帰る準備できた?」
「うん、俺はいつでもオッケーだよ」
そうだよね、智くんは荷物らしい荷物持ち歩かないもんね。今日は俺も出掛けるのわかってるから荷物は少な目だけど、智くんに関しては手ぶらの状態。
「え?なになに?ふたりでメシでも食いに行くの?」
相葉くんが興味津々の様子。
「うん、まぁ…ちょっと」
「わぁ、デート?デートなの?」
「うるさい、相葉さん。そう早まらない」
はしゃぐ相葉くんに対して、冷静なニノ。
「で?どうしたの?ふたりで出掛けるなんて珍しい」
松潤も気になるのか話に入ってきた。
そりゃそうだよな。智くんがメンバーとふたりで出掛けるなんて滅多にないし…ましてや松潤とはこの前、智くんの話したばかりだし。
でも、そっか…今更だけど俺、プライベートで智くんとふたりで食事に出掛けるって初めてなんだ。まぁ、あっちに着けばみんないるけどね。
「例のアニキ会にね、智くんが参加してくれるって言うから」
「アニキ会に大ちゃんが?なんでぇ?」
「あ、えっと…」
なんでと聞かれても、困ったな…まだ何かあった訳じゃないし。
「誰か動き出しました?」
「うん。上田」
ニノの問いにあっさりと智くんが答えた。
「あ~、とうとう…大ちゃん、ファイト!」
「なるほどね。頑張ってくださいよ?大野さん」
「だから気を付けて、って言ったのに…頼んだよ?リーダー」
「おう、任せとけ」
三人とも智くんの『上田』の一言だけで、事情を理解したみたいだ。