第16章 リフレイン
「でもさ、実際どう?男から好かれるのって」
「どうって…」
どうせ好かれるなら智くんから好かれたい。でも、それはあり得ない事だし。
「松潤にも言われたんだろ?今までもあったって。それ聞いてどう思った?ショック受けたりした?」
「ううん…吃驚はしたけど、ショックは受けなかったよ」
「そうなんだ…確認していい?」
「なに?」
智くんが真面目な顔で聞いてきた。
「翔ちゃんって…男の人とも付き合える人?」
「えっ⁉あ、えと…相手に、よっては…付き合える、かな…」
智くんに急に問われ焦ったけど、ここで嘘をついて否定したら、俺の智くんへの気持ちまで否定しているようで、嘘は言えなかった。
「そっか…」
智くんはそう呟いたあと、少し考えこんだ。
「前に翔ちゃんのこと好きだった人ってさ、相手…誰かも聞いたの?」
「う、ん…まぁ…」
松潤本人だなんて言えないよね。
智くんが男同士の恋愛をどう考えてるかわからないし、グループ内でそんなこと起こってたなんて知ったら、智くんの方がショック受けそう。
「誰?」
「へっ?」
「俺も知ってる人なんでしょ?松潤が知ってるくらいなんだから」
どうしよう…なんて答えたらいい?
「誰?教えてよ。その相手とは付き合ってもいいと思った?だから男の人でも人によっては付き合えると思ったの?」
「え!違う!違う!そんなんじゃないよ!ただ、今の世の中、同性同士の恋愛を否定する時代じゃないでしょ?それだけの事だよ」
「なんだ…そういうことか…よかった…」
智くんがホッと息を吐いて、体から力を抜いた。何がよかったんだろう?