第16章 リフレイン
「前にね、ニノと話したとき『上田が翔ちゃんに恋しちゃうかも』って言ってたから」
「ニノが?」
「うん。翔くんの番組で上田が言ってたじゃん『こんな俺に優しくしてくれて』って。そのあとも熱く思いを語ってるから、アイツ本気で好きな可能性あるって」
ニノもそんな風に見てたんだ。松潤にも言われてたのにな。
「そんなに意識して優しくしたつもりないんだけど、でも上田の置かれてる状況が心配だったからさ…」
「翔ちゃんにしてみれば普通のことなんだろうけどね、人の優しさに慣れてない上田にしてみれば心底嬉しかったんだよ」
「そっか…でも正式に告白された訳じゃないし、今の時点であいつを突き放すこと出来ないよ…」
どうしたらいいんだろう…俯く俺の肩に智くんの手が掛かる。智くんの方を見ると
「そこが翔ちゃんらしくて良いところではあるんだけどね。でも告白される前に手を打った方がいいと思うよ」
と言って優しく微笑んでくれた。その笑顔を見て心臓がドキッとなる。そんな優しい顔で見つめられたら俺こそ勘違いしちゃいそうになるよ…
「ん…」
また俯いてしまった俺を心配したのか今度は頭をポンポンと撫でてくれた。
「上田に告白される前に諦めさせればいいんだろ?」
「それが出来れば一番いいけど…そんな方法わからないよ…」
「大丈夫、俺に任せて」
ニコッと笑う智くん。何か策があるのか?