第16章 リフレイン
「『あ~、そんなこと言ったな』じゃなくて、あんな風に声も張らずに言われたらねぇ…」
「心の声が漏れちゃった、って感じだったよね」
「いつも翔さんのことばっか考えてんだろうなぁ、って…気の毒で苦笑いも出ちゃいますよね」
「うんうん」
「俺が?いつも翔ちゃんのこと考えてる?」
「違いますか?さっきあなたも言いましたよね?『あの時そう思った』って。他にもしらす好きな人なんかいくらでもいるし、翔さん限定じゃなくて『メンバーに食べさせたい』で良かったんじゃないですか?」
「あっ!そっか…でもあの時は翔ちゃんのことしか頭に浮かんでこなかったんだよなぁ」
「だからそれを言ってるんです。あなたの中にはいつも翔さんがいる、って」
「そう言われればそうかも…なんか気が付くと翔ちゃんのこと考えてる気がする」
う~ん、と首を傾げながら話してる姿は、まだ自分の気持ちを理解してなさそう。
「やっぱりわかってないんだ大ちゃん」
相葉さんが苦笑いした。そりゃそうだよね、こんなにわかりやすいのにまだ本人わからないんだから。
「え?何を?」
「翔ちゃんが大ちゃんにとって特別な存在ってこと」
「翔ちゃんが特別?」
「そうです」
「大ちゃんさぁ、今回だけじゃなく、結構番組内でポロっと心の声漏らしてるよ?だからさ、俺たちは大ちゃんは翔ちゃんのこと好きなんだろうな、って思ってるんだけど」
「俺が翔ちゃんを好き?そりゃ好きだよ、同じグループのメンバーなんだし。そんなの当たり前じゃん」
「いや、そんな簡単な意味じゃなくて…」
「簡単な意味じゃなければどんな意味?」
「ラブでしょラブ」
相葉さんがド直球に伝えると目を見開いて驚く大野さん。
「俺が⁉翔ちゃんにラブっ⁉」