第16章 リフレイン
「そうです、ラブです」
「い、や…それは、ないだろ…」
驚きの表現のままゆっくりと首を横に振る大野さん。
「さっき我々が翔さんの事を話しているのを聞いてどう思いました?険しい顔して聞いてましたけど」
「さっきって、好意がどうこう言うやつ?」
「ええ…」
「心配になった…翔ちゃん大丈夫かな?って…」
「何が心配なんですか?」
「何がって…誰かに告白とかされたらどうしよう…とか…」
「ナゼ告白されるのが心配なんですか?告白されても、どうするか決めるのは翔さんでしょ?あなたが心配するようなことじゃない」
「そ、うだけど…」
まだ納得出来ないか。
「想像してみたらいいんじゃないですか?翔さんが誰かに告白されて、笑顔でOKの返事をするところを。なんだったらその後、ふたりがイチャイチャしてる姿込みで」
視線を落とし腕を組むと、じっと動かなくなった大野さん。唇を少し尖らせ考えこむ。
暫くすると組んでいた腕をほどき、指で頭をポリポリと掻いた。
「ニノ…相葉ちゃん…俺、翔ちゃんのこと、好きみたい…」
「おっそいよ、大ちゃん!」
大野さんの肩をバシっと叩いた相葉さん。でもその顔には嬉しそうな笑みが浮かんでる。
「ごめん…」
「いや、でも良かったですよ。わかって貰えて」
「うん…翔ちゃんが誰かと付き合うことを想像しただけでメチャメチャ哀しくなった…イチャイチャしてるの見たくないって思った。こんなに哀しくなるのになんで今まで気が付かなかったんだろ…」
「まぁ、それが大野さんらしい所でもあるんですけどね。でもそろそろ気付いて貰いたいな、と」
「なんで?」
「翔さんが後輩たちから狙われ始めたっていうのが大きいですかね」
「そうだね、松潤が心配しちゃって心配しちゃって」
「松潤が?」
「はい。あの人、誰よりもアニキのこと慕ってますから」