第16章 リフレイン
その『翔ちゃんしらす好きなんだよな』発言の収録後の楽屋。
「じゃあお先~」
翔さんが荷物を持って立ち上がった。
「あれ?翔ちゃん、もう帰るの?早いね」
相葉さんが驚いて声を掛ける。そりゃそうだよな、いつもなら俺が最初に楽屋を出るのが殆ど。
翔さんがこんなに早く出ていくのは珍しい。
「ん、ちょっと約束があって」
「あぁ、またアイツらだろ?最近多くね?『アニキ会』」
潤くんもバッグを手に持ち立ち上がった。
「ん~、メンバーが増えて来てるし、中々全員一度に揃わないから結局個別に呼び出されんだよね」
「特に上田だろ?」
「アイツ、事務所の他の人たちとあんま連絡取り合わないみたいだからさ、なんかほっとけなくて」
「翔ちゃん、世話好きだから」
「そんなことないけど…あ、ヤバ時間に遅れる。じゃあ、お疲れ」
「あ、翔くん、俺も帰るから下まで一緒に行こうよ」
「おう」
「じゃあ、皆お疲れ!」
「お疲れさま~」
「お疲れさまです」
翔さんと潤くんが楽屋を出ていった。
「なんだかんだで潤くんが『アニキ会』の筆頭な気がしますけど…」
「確かに~。飲みには行かないけど、昔から松潤って翔ちゃんのこと慕ってるよね」
俺と相葉さんがそう話していると、楽屋のドアを寂しげに見つめている大野さん。でも、本人はわかってないんだよなぁ。
だからさ、わからせてあげるよ。あなたが翔さんの事をどう思ってるかって。