第15章 Waiting for you
「翔くん?顔あげてよ」
ぶんぶんと顔を横に振る。とてもじゃないけど今、智くんの顔なんて見られないよ…
「なんで?」
「……はずかしすぎる…」
枕をぎゅっと握り小さな声で答えた。
「恥ずかしくなんてないよ。昨日の翔くんスッゲェ可愛かったよ?」
「可愛くなんてないよ、あんなの。初めてなのに…」
あんなに智くんを求めてしまった。
智くんの手が優しく肩を抱き、耳元で語る。
「可愛かったって…普段しっかり者の翔くんが俺にだけ見せてくれる姿でしょ?俺、凄く幸せだった」
あんな姿見せたのに智くんは幸せなの?
そろっと顔をあげて智くんの顔をチラッと見ると満面の笑みの智くんと目が合った。
「ほんとに?幸せだった?」
「当たり前だろ?ずっと好きだった人を抱けたんだよ?
しかもはじめての翔くんを気持ちよくさせられたんだもん…こんな幸せなことないよ」
そっか…あんな恥ずかしい姿、智くんになら晒してもいいんだ…
「…いいの?あんな俺で…」
「うん、どんな翔くんでも大好きだよ」
「俺も…智くんのこと、好き…」
「じゃあ改めて、翔くんは俺のモノってことでいいよね?」
「うん、よろしくお願いします」
「んふふっ、よろしくね」
優しく微笑む智くんがそっとキスをしてくれた。