第14章 君への想い
「時間ないか…今回あっちにいる時間長いんでしょ?」
「うん、この前の夏よりは長く滞在できる」
松潤の手が止まると松潤の気配が急に近くに感じられた。
「前回は治安が悪い所だったから心配したよ?」
耳に息の掛かるくらいの所で松潤が囁く。
思わずビクッと体が動いてしまった。
「あ、うん…ありがと、心配してくれて」
「お礼なんて水くさい…翔くんの心配するのなんて当たり前のことだよ」
俺の肩に手を置き体を寄せたまま話し続けてる…ちょっと近くないか?
そう思っていたら松潤のもう片方の手が頬に触れた。
「顔色もあんまり良くないね、ご飯ちゃんと食べてる?」
俺の顔を心配そうに見つめてくるんだけど、距離が近いんだって!
「あっ…いや、弁当とかで済ませちゃってる」
「ならさ、これから家に来ない?番組で作ったローストビーフ、最近家でも作ってるんだ。丁度美味しいワインも手に入ったしご馳走するよ」
ローストビーフ…確かに旨そうだった。でもこの誘いに乗っていいのか?
返事を躊躇っていると突然腕を掴まれ立たされた。
「へ?」
掴まれた腕の方を見るとそこにいたのは智くん。
「悪ぃ松潤…今日、翔くん俺と先約入ってるから」
はっ⁉そんなの聞いてない…って言うか智くんと約束なんてしたことないじゃん。