第14章 君への想い
「もぉ、このおじさんはぁ…」
「やめろや~」
智くんとニノが仲良く絡んでる…
番組収録中にはよくある光景…でもその光景を見る度に俺の胸は締め付けられるんだ。
ファンの人たちの間でも喜ばれてるこのふたりの絡み。
傍から見ていても猫がじゃれあってるみたいで可愛らしい…俺も以前はそう思っていたんだ。
なのにいつからだろう…俺ももう少し小さくて可愛ければ智くんとあんな風に絡めたのかな?って考えるようになったのは。
俺が出来ることは精々どさくさに紛れて肩に触れたりハイタッチするくらい…握手なんてした日にはその日一日手を洗わない、なんて思ったりする。
どんどん重症化していく俺の恋心。
絶対叶うことなんかないこの想い、いったいどうすればいいんだろう…
「はぁ~」
「どうかした?翔くん」
楽屋の椅子に座っていると後ろを通りかかった松潤が立ち止まり声をかけられた。
「え?」
振り返り松潤を見上げる。
「いや、今ため息吐いたから」
「ため息?」
「わかってないの?」
苦笑いする松潤…俺、ため息なんか吐いてたんだ。
「もうすぐオリンピックだから準備で疲れてるんでしょ?」
そう言って俺の両肩に手を置くと揉みを始めた。
「ほらぁ、スッゴい硬い」
強くもなく弱くもなく程良い力で揉んでくれる。
「あ~、気持ちいい…」
「だろうね、こんなに凝ってるんだから。
忙しいのはわかるけどもう少し体のケアした方がいいよ?」
「うん、わかってはいるんだけどなかなか…」