第13章 pray
「マジで?翔くん抱きしめてくれたの?なんで?」
「だって、あの時智くん凄く辛そうだったから…幸せになりますように、って祈ってたら抱きしめたくなった」
「じゃあその祈りが届いたんだ…翔くんのおかげだね」
「そうかなぁ」
「翔くんが俺の幸せ願ってくれて今こうして幸せになれたんだから全部翔くんのおかげだよ」
「ん、なんかよくわからないけど智くんが幸せになったんだからそれでいいや」
「もっと幸せにしてくれる?」
「いいよ…」
どちらともなく重なりあう唇…ゆっくりとベッドへ押し倒されると智くんの首に回したままの腕に更に力を込め引き寄せた…貪り合うようにキスをして呼吸が苦しくなると智くんの唇が離れていく。
「はぁ…はぁ…あ、んっ…」
智くんの唇が首筋から鎖骨、さらに下がって胸の突起に吸い付いた時には全身に熱が回っていて、はじめての行為なのにその先を待ち望む自分がいた。
智くんの手がズボンの上から俺の中心に触れた。
「あっ…」
「翔くんのここ…硬くなってるよ」
ズボンの上から強めに上下に撫でられると気持ちよくて身体が仰け反る。
「あ、さと、しくん…」
智くんを見つめると智くんは嬉しそうに微笑んだ。
「気持ちいい?」
コクコクと首を縦に振るとベルトを外し更にズボンと下着を一緒に抜き取られた。
「あっ!」
一糸纏わぬ姿を智くんの目の前にさらけ出すのが少し恥ずかしくて膝を擦り合わせるように自分の中心を隠す。その脚を開くように智くんが身体を滑り込ませてきた。
「隠したら触れないでしょ?」
悪戯っ子のような笑顔を見せ智くんの手が直接俺の中心を握り上下に擦った。
「あっ、やっ!」
逃げようと身体を捩ったら智くんが覆い被さってきてキスをする…
「んんっ!ふっ、ぅん…」
さすが男相手なだけあって気持ちいいポイントをわきまえてる…あっという間に追い詰められてすぐにでもイってしまいそう…