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片恋 《気象系BL》

第1章 Two


「大野さん?」

黙り込んだ俺にニノが再び声を掛ける。

「何でもないよ」

「ならいいんですけど、なにかくだらないことで悩んでいるのかと思いました」

「なんだよ、くだらないことって」

ちょっとムッとして聞いてみた。

「自分と誰かを比べてるとか?」

なんなんだこいつは?エスパーか?

「ふふっ、大野さん分かりやすすぎ。
顔に全部出てますよ」

そんなに分かりやすいか?やっぱりニノだからじゃないか?

「それにしても相変わらずの過少評価ぶりですね」

ニノが聞き取り辛い声で何か言った

「えっ?なに?」

「あなたは自分を知らなさすぎます」

「なんだよそれ」

「そのまんまの意味ですけど?
まぁ、今日のアンケート結果でファンの皆さんにどう見られてるか分かるんじゃないですか?」

「だから、お笑い担当だろ」

「それより上位が残ってるでしょうよ」

お前だって結果知らないんだよな?
まるで結果を知ってるかのような言い方だな



「はい!櫻井さん、松本さんオッケーです。
次、大野さん、二宮さん、お願いします」

「はい! 
行くぞ、ニノ」

「ハイハイ」


翔くん達とすれ違いざまに

「頑張ってね」

と、軽く肩を叩かれた。それだけでも嬉しくなってしまう。

翔くんを好きだと気づいてからの俺は翔くんの行動に一喜一憂している。

恋したての若造か…?

この年になってなにやってんだか…

人並みに恋愛してきたつもりだったんだけど、今までの経験が全く役に立たない。
と言うか、翔くん対しては勝手に心と体が反応する。


今さらこんな感情を翔くんに抱くなんて…


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