第13章 pray
結局智くんの相手が誰なのかわからないまま俺の誕生日当日を迎えた。
日付が変わると共にメンバーのグループLINEに次々と送られてくるおめでとうメッセージ。
『おっめでと~!翔ちゃん‼幸せになっちゃってねぇ』
『おめでとうございます、翔さん。特別な一日をお過ごしください』
『Happy bisday! 翔くん!素晴らしい日になることを祈ってるよ♪』
松潤、ビースディって…でも、みんなありがと。もうお祝いなんて必要ないと思ってたけどやっぱりこうして祝ってもらえるのは嬉しいな。
『誕生日おめでとう。翔くんのお母さん生んでくれてありがとう』
智くんってば、また…あれ?でも「いつも」が抜けてる。これじゃネタじゃなくて普通に俺の母親に感謝しちゃってんじゃん。日付変わって慌てて打ったのかな…きっと眠かったよね、ありがと智くん…
『みんなありがと、みんなのおかげで幸せな気持ちで誕生日を迎えました』
みんなからのメッセージに返信をして眠りについた。
翌日の午後、雑誌の撮影に向かうと既に智くんが控え室に待機してた。
「おはよ、智くん」
「おはよ、翔くん…誕生日おめでと」
「ありがと…LINE打ったとき眠かったでしょ?」
「え?なんで?そんなことないよ?」
「だって間違って打ってるじゃん…まぁ正確に言えばいつもが間違ってるんだけど」
「間違ってないよ?俺ちゃんと確認して送ったもん」
「え、だってあれじゃ普通に俺の母親にお礼言っちゃってるよ?」
「そうだよ…翔くんのお母さんが翔くんを生んでくれたことに感謝したの、じゃなきゃ翔くんと今こうして一緒にいられなかったでしょ?」
そう言って優しく微笑む智くんにドキドキした。なんでだ?